〈新春対談〉 董和先生に聴く


  子宝相談(上)
                                        聞き手・ 大浦 純孝 社長


大浦
 明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

董和 おめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

大浦 今回は、不妊についてお話をうかがおうと思います。ここ数年当社でも「子宝相談」で来られる方が増えています。「二人目が欲しいがなかなかできない」「何度も流産をしてしまう」「不妊治療を受けているがうまくいかない」といったさまざまな悩みです。仕事や経済的な事情で子供を産めない人もあるでしょうが、肉体的な理由で産めない人が増えているようです。先生は不妊についていろいろな相談を受けておられると思うのですが…。

董和 最近、私のところへも薬局の先生方から、子宝相談についての問い合わせが非常に増えています。薬局の店先にもよく子宝相談の大きなポスターやビラが貼ってあったり、ネット上にも子宝相談の情報などが溢れています。
不妊の原因には、冷え、肉体的・精神的ストレス、血液の滞り、栄養のアンバランス、加齢などがあると指摘されています。その一方では、治療に使われている薬や漢方処方は各薬局の先生方によって大きく異なります。

大浦 そんなに違っていても、それぞれ効果がでているのでしょうか。

董和 なかなか難しいと思います。中医学では、不妊治療は主に生理を正常にすることを第一目標にしています。生理が毎月順調に来れば妊娠できるような体になります。これは「調経種子」(生理を整えて妊娠可能な状態にする)という治療法です。


漢方の周期療法

大浦 調経種子という言葉は初めて聞きました。以前、先生には不妊治療に関して「周期療法」というものを説明していただきました。もう一度お願いできますか。

董和 周期療法は、生理周期のそれぞれの段階に合わせて違う薬を用いて、生理を調節するという方法です。これも調経種子の一つです。生理は腎精(生命エネルギーの源)が血に変わって起こるもので、補腎精(生命エネルギーを補う)の薬を使うことが周期療法の中心となります。
具体的には次のような方法で行ないます。

① 月経期 活血薬(血行をよくする薬)と理気薬(気の巡りをよくする薬)を併用して、子宮内の血液をきれいに排出させる。
② 低温期 補陰血薬(血を増やして潤いを与える薬)に少量の補陽薬(陽気を補い体を温める薬)を加えて、子宮内膜を増殖させ成熟卵胞を育てる。
③ 排卵期 補腎精薬と活血薬を併用して、排卵をスムーズにする。
④ 高温期 補腎陽薬(腎の陽気を補い機能を高める薬)に少量の補腎陰血薬を加えて、受精卵を子宮内に着床させ妊娠を継続できるようにする。

大浦 生理周期の各段階に合わせて、それに適合する漢方薬が処方されれば、かなりの効果がみられると思いますが、運用がなかなか難しそうですね。日本の漢方の現状からすれば、こうした治療方法は、まず無理だと思います。

董和 確かに難しいです。中国にも周期療法専用の漢方処方はありません。患者さんの体調に合わせて煎じ薬を処方していますが、先生によって使われている生薬や処方はまちまちです。中国でもこのような状況ですから、生薬の種類が少ない日本で周期療法を行なうのは困難でしょう。


簡単な方法

大浦 他に、簡単にできる漢方の不妊治療の方法はありませんか。

董和 中国の周期療法では、活血薬(子宮の瘀血を除去する薬)と補腎・補血薬(卵巣機能を強化する薬)の二種類のものが使われています。そこで私は、主に子宮の瘀血(滞った血)を下ろす効果があって体にも優しい漢方食品の「野牡丹植物」と、卵巣機能を強化する漢方食品の「羊プラセンタ」をお勧めしています。この二種類の漢方食品を三ヵ月ほど(長くても半年間くらい)食べ続けていただいて、大半の方が妊娠に成功し無事に出産された、という報告を数多くいただいています。

大浦 先生は、妊娠できない原因が子宮に問題があるのか、それとも卵巣機能に問題があるのか、ということを中心に考えておられるわけですね。「野牡丹植物」と「羊プラセンタ」の二種類の漢方食品を用いる方法は、周期療法のように複雑なのですか。

董和 いいえ、非常に簡単です。繁雑な周期療法はいらず、漢方の知識がなくても、誰でも安心して利用できます。体に優しい生薬を組み合わせているので副作用の心配もありません。

大浦 具体的にはどのように食べるのでしょうか。

董和 「野牡丹植物」は毎月の生理が来た日から約14日間(低温期)食べ、「羊プラセンタ」は生理と関係なく毎日食べ続けます。この方法をまずは三ヵ月を目安に続けます。妊娠したら「野牡丹植物」は止めて「羊プラセンタ」だけを食べます。

大浦 これなら簡単に続けられますね。

董和 はい。なかには一ヵ月ほどで妊娠される方もおられます。


生理不順

大浦 正常な生理の周期は、25~38日間とされていますが、この範囲をはずれた場合は生理不順といわれます。生理不順の方はどのような食べ方をすればいいのでしょうか。

董和 その場合も先と同じ食べ方をお勧めします。この方法を続ければ生理の周期が徐々に正常に近づいてきます。

大浦 不正出血がある人や、生理がまったく来ない人にも同じように使えるのですか。

董和
 そういった場合は、まず生理が順調に来るまで毎日「野牡丹植物」と「羊プラセンタ」の両方を用います。先に述べた調経種子は不妊治療の基本です。そして生理の周期が正常になったら「野牡丹植物」を生理の日から約14日間(低温期)食べ、「羊プラセンタ」は毎日食べるという方法をとってください。


「野牡丹植物」

大浦 漢方食品の「野牡丹植物」は、主に止血・活血(血行をよくする)補血(血を増やす)の働きのある民間薬草を組み合わせて創られているので、婦人病全般に良いものですね。生理不順や生理痛、不正出血、子宮内膜症、卵巣の腫れなどに役立つことを人間医学社でも確認しています。

董和 もし効果がいまひとつ得られないという場合には、目安量より多めに食べてみてください。

大浦 「野牡丹植物」は平性(寒・熱に偏らない)の性質をもった漢方食品なので、多めに食べても副作用の心配はありませんね。

董和 ええ。婦人病には「野牡丹植物」は“第一妙薬”と言っても言い過ぎではないと思います。特に下腹部の瘀血を下ろす作用があるだけでなく、補血の効果もあります。「野牡丹植物」には子宮の瘀血を取り除き、瘀血をためないようにする働きがあります。なおかつ体にやさしい民間薬草です。このような働きのある漢方薬草は他にはありません。

大浦 今日のお話では、「野牡丹植物」は生理が来た日から約14日間(低温期)食べ、15日目から次の生理が来るまでは食べない。「羊プラセンタ」は生理と関係なく毎日食べ続けるのですね。妊娠した場合は「野牡丹植物」は中止し「羊プラセンタ」は継続する、というやり方ですね。これならとてもわかりやすいですね。
ところで、「野牡丹植物」は15日目からなぜ使用を中止にするのか、理由をお聞かせください。

董和 「野牡丹植物」は子宮強化薬とも言われ、子宮にたまっている瘀血を下ろす働きがあります。子宮の血液がきれいに排出されないと瘀血になり、受精した卵子が着床できなかったり、着床しても育ちにくかったりします。
生理が来てから14日間の低温期は妊娠の可能性がありませんから、安心して食べていただけます。しかし15日目からは高温期に入り、排卵・受精・受精卵の着床・妊娠といった期間になります。妊娠可能な時期に子宮の瘀血を下ろす薬を使用すると流産の恐れがあるので、「野牡丹植物」は使うことができません。

大浦 そういうことなんですね。「羊プラセンタ」の主材である羊の胎盤は卵巣機能を高める働きがあり、長期にわたって食べ続けることができる、栄養価の高い生薬ですね。羊の胎盤と薬効の似ている生薬に紫河車(人間の胎盤)というものがありますね。

董和 紫河車は温性(少し体を温める)で、気力を補い・血を潤わせ・補腎精に働く生薬です。気血不足・腎精虚乏など、すべての虚損労傷(精神的・肉体的疲労)に単独、あるいは他の生薬と組み合わせて用いるとよい生薬です。

大浦 羊の胎盤にも紫河車と同じような働きがあるのですね。しかし、日本では羊の胎盤を使っている健康食品は先生が創られた「羊プラセンタ」だけだと思います。「野牡丹植物」の主材である野ぼたんも、日本では一般に利用されていない民間薬草のようですので、次回にもっと詳しくお話ししていただきたいと思います。

(つづく)                  戻り