董和先生に聴く

 子宝相談(中)

                                                聞き手・大浦純孝社長  

大浦
 前回は不妊に役立つ「野牡丹植物」と「羊プラセンタ」の食べ方についてのお話をうかがいました。
「野牡丹植物」は生理が来た日から約十四日間(低温期)食べ、それ以後は、次の生理が来るまでは食べない。
「羊プラセンタ」は生理と関係なく毎日食べ続ける、というやり方でした。この二種類の漢方食品を三ヵ月ほど食べ続けていると、多くの方が妊娠に成功し、無事に出産されたということでした。ただ、生理不順(不正出血も含む)の方の場合には、まず「調経種子」(生理を整えて妊娠可能な状態にする)という治療法を行ないます。
それは生理が順調に来るまで「野牡丹植物」と「羊プラセンタ」の両方を毎日食べ続ける、というものでしたね。

董和 ええ。この方法を続ければ生理の周期が徐々に正常に近づいて来ると思います。
「野牡丹植物」には生理不順の大きな原因となっている瘀血(滞っている血)を下ろす働きがあり、「羊プラセンタ」には卵巣機能を強化する働きがあります。

大浦 そして妊娠した場合は「野牡丹植物」は止めて「羊プラセンタ」だけを食べ続けるのですね。

董和 そうです。「羊プラセンタ」の主材である羊胎盤は栄養価の高い生薬で、妊娠中から授乳期間まで食べ続けることができる漢方食品です。

大浦 この食べ方を三ヵ月間続けても妊娠できない場合にはどうしたらよいのでしょうか。

董和 不妊の原因は年齢や体質、生活環境、ご主人の体調などが考えられますが、主な原因は本人の体質が十分に改善できていないことによるものだと思います。ですから、同じ食べ方をさらに三ヵ月を目安に続けてください。そうすれば体質が改善されて妊娠できると思います。


子宮機能低下による不妊

大浦 三ヵ月続けても妊娠しない場合はそれを半年に延長するわけですね。それでも妊娠できない場合には、何か方法があるのでしょうか。

董和 女性不妊の原因には卵巣と子宮の働きが大きく関わっています。卵巣には卵子の生育・成熟・排卵などの働きがあり、子宮には受精卵の子宮内膜への着床、胎児の発育を促すなどの働きがあります。

大浦 不妊の原因が卵巣にあるのか子宮にあるのかは、どのように判断するのですか。

董和 生理の周期は正常なのに、生理痛や子宮筋腫、子宮内膜症、流産の経験、卵巣の腫れ、卵管の障害、不正出血などがあれば、子宮が不妊の原因である可能性が高いです。これらの病症がなければ、卵巣の働きに問題があると思います。

大浦 その他に何か判断する方法はありせんか。例えば、子宮に問題がある人などはどうでしょうか。

董和 舌の苔を観察すればある程度わかります。子宮に問題がある人は、舌に苔がたくさん見られます。体に老廃物がたまると舌に苔がたくさん出てくる傾向があります。子宮の病気は血液の流れと深い関係があり、血液に老廃物がたまると瘀血になります。舌に苔がたくさんあって先の病症のうち一つでもあれば、子宮が不妊の原因であると判断します。その場合には、瘀血をきれいに掃除してくれる「野牡丹植物」を中心にお勧めします。


卵巣機能低下による不妊

大浦 一方、卵巣が不妊の原因になっている場合には、舌の状態はどうなっているのでしょうか。

董和 この場合は舌に苔があまり出ていません。

大浦 それはどうしてでしょうか。

董和 漢方では、卵巣の機能が低下(卵巣機能不全)しているのは体内のエネルギー(体力)が不足しているためと考えています。このような時は、舌に苔が出にくく、舌の肉の色にも赤みが少なく白っぽくなり、舌全体(肉質)が柔らかい感じになります。

浦 生理の周期が正常なのに不妊の方で、舌苔が少なく、舌の色が白っぽく、舌が柔らかいようであれば、卵巣の機能低下による可能性が高いのですね。

董和 ええ。そういう場合、卵巣の機能が低下していることはよくあります。漢方では、これは「腎」の働きが弱っているためと考えています。それによって貧血や冷えなどが起こりやすくなり、また妊娠もしにくくなります。この場合には「羊プラセンタ」を中心にお勧めします。


二倍に増量する

大浦 子宝相談では、不妊の原因を「子宮の瘀血」と「卵巣機能低下」の二つに分けて、どちらを中心にして治療するかを決めるわけですね。そして子宮に瘀血がたまっている場合には「野牡丹植物」を、卵巣の機能が低下している場合には「羊プラセンタ」を勧めるということですね。

董和 そうです。ただ、実際に治療ということになると、不妊の原因が子宮にあるのか卵巣にあるのかは、それほど問題にせず、生理の来た日から約十四日間は「野牡丹植物」を食べ、「羊プラセンタ」は生理と関係なく毎日食べ続けるという方法で良いと思います。この方法を三ヵ月から半年間続けても妊娠されない時には、「野牡丹植物」と「羊プラセンタトともに一日に食べる量を二倍にされることをお勧めしています。

大浦 二倍にしても副作用の心配はありませんか?

董和 「野牡丹植物」と「羊プラセンタ」は体に優しいだけでなく、体質改善や体力を高めるためにも役立つ漢方食品です。二倍にしても三倍にしても大丈夫です。副作用の心配もありません。実際に不妊で悩んでおられた方から、「羊プラセンタ」を最初から通常の三倍の量を食べて妊娠し、その後もずっと毎日続けている、という報告をいただいています。


卵巣の腫れ

大浦 この二つの漢方食品は、食用にもなる民間薬草を主に組み合わせて創られているので、副作用の心配がなく、安心して食べていただけるものだけに、とても心強いですね。
ところで、先ほどのお話で、不妊の病症のうち、卵巣の腫れや卵管障害がどうして子宮の問題に属すると考えられるのでしょうか。

董和 卵巣の腫れの多くは、子宮内膜症によるチョコレート嚢胞、副卵巣嚢腫、炎症性、腫瘍(悪性、良性)、ホルモンの影響などが原因で起こります。ホルモンの影響で腫れている場合は、性ホルモンと関係があるとされています。でも、これはほとんどが一時的なもので治療しなくてもよいものです。それ以外の卵巣の腫れは、瘀血がたまっていることが原因しています。

大浦 卵巣の腫れの原因が瘀血だとわかれば、治療はどのようなものになるのでしょうか。

董和 この場合は瘀血を取り除く働きのある「野牡丹植物」を用います。

大浦 そういえば、これまで数多くの方の卵巣の腫れ、特に子宮内膜症によるチョコレート嚢胞に「野牡丹植物」は確かに効果がありました。

董和 生理痛や子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣の腫れ、卵管障害などによる不妊は、全て瘀血と関係があるので「野牡丹植物」がお勧めできます。


野ぼたんの作用

大浦「野牡丹植物」は、子宮の血液の流れを改善したり、炎症を抑えたり、瘀血を掃除をしたりするので、子宮の健康に大変役立つわけですね。確かに“子宮強化薬草”と言われるのがよくわかります。女性にとっては、大変ありがたい漢方食品の一つですね。
「野牡丹植物」の主材である野ぼたんの薬効と似た効用をもつ漢方生薬は、他にはないようですね。野ぼたんについてもう少し詳しく説明していただけませんか。

董和 野ぼたんの種類は世界中に3000種くらいあります。その中で私がお勧めしている野ぼたんは食用になる種類のもので、ポリフェノールやタンニン、植物糖質、アミノ酸などが含まれています。

大浦 赤ワインには豊富に含まれていますが、ポリフェノールには抗酸化作用があり、動脈硬化や脳梗塞などを防ぐ作用やホルモンの働きを促す作用などがあるといわれています。野ぼたんに含まれているポリフェノールには、子宮の血液循環をよくする働きがあると考えられるのですか。

董和 おそらくそうだと思います。漢方の書物には、この種の野ぼたんには活血(血行をよくする)、補血(血を増やす)、止血などの効能があると記載されています。また、生理痛や産後の瘀血による腹痛、血崩(不正出血)、盆腔炎(骨盤内感染症)、生理過多、妊婦の貧血、消化管出血、怪我出血など、婦人病や出血性の疾患によく用いると記されています。

大浦 いずれも「血」が関係する症状に多く使われているようですね。

董和 それ以外にも、清熱解毒(熱を取り毒を下ろす)の作用があり、風邪による高熱、肺膿瘍、ノドの腫れ痛み、咳、喘息、歯痛、黄疸、下り物、下痢、腸炎、痔の腫れや出血、癰腫、疔瘡、蛇咬傷などにも用いられます。


多機能な野牡丹植物

大浦 野ぼたんというのは、じつにさまざまな効果をもった植物ですね。ところで、盆腔炎とはどのような病気のことですか。

董和 日本では骨盤内感染症といいます。これは子宮や卵管、卵巣などの女性性器、あるいはその周辺の腹膜や結合組織などに起こる感染症を総称した呼び名です。
この病気は原因となる微生物が膣から子宮内に侵入し、卵管を通り腹部内へと広がって起こる感染症です。骨盤内感染症になると、発熱や腹痛などが起こる他、不妊の原因にもなり、骨盤内感染症の患者の20%が不妊になるといわれています。

大浦 骨盤内感染症による不妊には、どのようなものが役立つのでしょうか。

董和 これも炎症に伴う子宮の瘀血が関係している病気ですので「野牡丹植物」が役立ちます。

大浦 先生の子宝相談では、卵巣機能低下による不妊の場合には「羊プラセンタ」を中心に食べ、その他の場合には「野牡丹植物」を中心に食べるように勧めておられますね。それでも妊娠できない場合には、この二種類の食べる量を増やすというやり方で、妊娠するまで続けていくわけですね。これなら誰でも簡単に続けていくことができますね。
最近では、四十歳代の女性で子どもが欲しいという方や、一人産まれたが二人目がなかなかできない、という相談があります。さらに男性不妊の悩みを持つ方もおられます。そうした点について次回にお話をうかがいたいと思います。

(つづく)         戻り