蕁麻疹を克服した新しい薬草の発見
中国医碩士/小林漢方(有)社長 董和

*蕁麻疹
  私は蕁麻疹を発症しやすい体質を持っています。十数年ほど前に、蕁麻疹を二年間くり返し起こしたことがあります。
  これが今年四月の初め頃、再び発症しました。顔以外の全身に、あちこちブツブツと発疹ができ、痒みが強くて我慢できず、皮膚が傷つくほど掻いてしまいました。毎日、夜中が一番痒くて眠れませんでした。
  そこで対策として、大青葉などの薬草食品をはじめヘビエキスや、漢方薬の黄連解毒湯、竜胆瀉肝湯など計10種類を選び、これらを大量に食べてみました。たとえば黄連解毒湯、竜胆瀉肝湯の粒は、四日分を一日で食べました。しかし全て無駄で、痒みは全く止まりませんでした。
  これらの食品と漢方薬は、湿疹、アトピー性皮膚炎、老人性掻痒症などの痒みと炎症によく効くとされているものですが、今回の強い痒みを伴う蕁麻疹には無効だったのです。
  ついに、ある病院から二週間分の抗ヒスタミン剤(アレグラ錠60mg)を出してもらい、朝・夜に各一錠ずつ服用するようになりました。
  それでも「蕁麻疹に効く漢方薬が絶対にある」と信じている私は、一生懸命に薬草辞典の中を探しました。そして、探しては自分の身体で試す、探しては自分で試すをくり返しているうちに、ようやく強い痒みを抑制できそうな数種類の薬草に行き当たりました。
  そこで、新薬(アレグラ錠)も他の漢方薬も全て中止して、この薬草だけを煎じて飲んでみました。すると、夜の痒い蕁麻疹はグンと楽になりました。
  現在、発疹の原因は、私の寝室のクローゼットの中に掛けられていた「ハーブ防虫剤」と判明しました。それを除去すると、蕁麻疹は根絶しました。
  この防虫剤には「赤ちゃん、子供にも安心」と書かれていますが、私の身体に蕁麻疹を発症するアレルゲンになりました。アレルギー疾患は、しばしば環境化学物質によって発症しますので注意が必要です。

*耳殻の痒み
  ここ数年、私は冬から初夏にかけて耳殻に痒みが出てきます。掻くと皮膚が破れ、腫れてかなり辛い状態ですが、どうにも仕方ありません。原因は不明です。
  今年も例年のように、ほとんど毎日、紫霊芝などの薬草の粉末を、水で溶いてどろどろにして外用しています。外出するときには耳を水で綺麗に洗って出かけ、帰ったらまた耳にこの粉末を塗ります。
  ところが、最近、耳殻の痒みをあまり感じなくなり、この粉末を塗っていません。そこでさかのぼって考えてみましたところ、4月23日まではまだ塗っていましたが、同24日から塗っていないことに気がつきました。
  その理由を考えてみましたら、その日は先の蕁麻疹用の数種類の薬草茶を飲んでおり、耳殻の痒みが止まったためにドロドロ液の外用を忘れていたのでした。
  数年間にわたる原因不明の耳殻の炎症と痒みには、もはや治療薬はないのかとあきらめかけていましたが、ここへきて新展開がありました。この薬草茶は、確かに急・慢性の皮膚の炎症と痒みに威力があるものと確信しています。

*食べられる薬草
  ところで、その数種類の薬草というのは、ナス科植物の龍葵(リュウキ)、アカザ科植物の地膚子(ジフシ)、シイ科植物のシイなどです。
 〈地膚子〉は“畑のキャビア”とも呼ばれるホウキギの種子です。別名“とんぶり”ともいわれ、食用にされます。江戸時代には、ホウキギの若い葉を煮物や和え物にして食べたといいますが、現在では葉を食べることはほとんどありません。
 〈龍葵〉は山菜として食べている人もいます。台湾人は大好きらしいです。
 〈シイ〉は山菜としては利用していないようですが、私は料理して食べてみました。少し苦みがありますが、山菜の特別なおいしさもあります。
  私は、これらの薬草が、痒みを伴う皮膚の急・慢性炎症に対して、現代医薬品の抗ヒスタミン剤やステロイド剤と同じように即効性があるのではないかと考えています。しかも副作用の心配がありませんから、痒みを伴う皮膚炎を徹底的に治すのに大いに役立つものと期待しています。
  今後、アトピー性皮膚炎をはじめ、蕁麻疹、湿疹、老人性掻痒症その他、全ての痒みを伴う皮膚炎の対策として、これを製品化しようと考えております。
  日本には「災い転じて福と為す」という諺があります。私は長年、蕁麻疹で苦しみましたが、そのお陰で痒みに良く効く、かつ副作用のない薬草を見つけることができましたので、報告させていただきました。
(了)